長寿時代と選択
医学では日進月歩の勢いで多くの研究が進められています。治療方法においても様々な選択肢ができるようになってきています。複数の選択肢の中から積極的に選択する事ができる状況になってきているという事です。
しかし、そこには歴然とした格差が生じているのもまた現実です。日々進歩している事の裏返しでもありますが、如何ともしがたいところです。進歩があるという事は、決して一斉に平均値が上がっていくわけではなく、いわば玉石混交の状態が出現し続けるという事です。
平均という言葉には落とし穴があり、例えば多死化によって今後「死に場所の不足」という問題が深刻化するという概念が言われています。
死亡者数が増えていくという推移は明らかであるのに、高齢者の受け皿の整備は歴然と進んでいないからです。療養病床が大幅に削減されるなど逆に悪化しているという指摘すらあります。