ハチミツ

ハチミツはミツバチが採集した花の蜜を巣内で加工したもので、集めた花の種類によって味や香り、色などが異なります。ハチミツの成分のほとんどが糖分で、花の蜜が採集された段階ではスクロース(ショ糖)ですが、ミツバチの唾液に含まれる酵素によってグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)に分解され、少量のオリゴ糖やデキストリンなども含んでいます。低温で白く結晶化することがありますが、砂糖などの混入ではなく成分による物で、グルコースを多く含んだハチミツは固まりやすく、熱を加えることで溶かすことができます。グルコース・フルクトース共に血糖値を上げやすい性質を持つにも関わらずハチミツ自体は血糖値を上げにくいため、糖尿病患者に対する甘味料としてやダイエットなどに使用されます。ハチミツに含まれるフルクトースには、肝臓のアルコールを分解する機能を強化する働きもあります。グルコン酸という成分も含まれていて、体内に摂取されても大腸まで分解されずビフィズス菌を増加させる効果があります。そのため腸内環境を整え、下痢や便秘にも効果があります。また、チフス菌は48時間、パラチフス菌は24時間、赤痢菌は10時間で死滅させるなど、ハチミツには強い殺菌効果が認められていて、内服・外用共に活用されています。さらに、歯石予防効果に関しては歯磨き粉に利用するエチドロン酸という歯石形成抑制剤並みの効果があり、歯石予防から歯周病予防にも効果的です。万能薬のようなハチミツですが、ボツリヌス菌が混入していることがあり、大人が摂取しても問題ありませんが、腸内環境の整っていない1歳未満の乳児の場合乳児ボツリヌス病を発症する場合があります。ボツリヌス菌は熱に強く加熱でも死滅しないので、1歳未満にはハチミツ入りの飲料やお菓子なども与えないようにしましょう。

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